予防歯科の重要性
むし歯や歯周病といったお口の病気は、早期段階ではほとんど自覚症状がありません。痛みや違和感を覚える頃には、すでに進行しているケースが多く、治療が必要となると歯や歯ぐきに大きな負担がかかってしまいます。こうした事態を避けるためには、初めから病気を防ぐ「予防」の考え方が大切です。
江戸川みずえ歯科・矯正歯科では、患者さまのお口の健康を守るために、定期的な検診やクリーニングを通じてむし歯や歯周病の早期発見・予防に努めています。予防歯科では、トラブルが起こる前に歯科医院でお口のチェックを行い、汚れを専門的に除去することで、病気のリスクを低減させることができます。
大人の歯は親知らずを除いて28本ありますが、厚生労働省や日本歯科医師会が推進する「8020運動」では、80歳で20本以上の歯を残すことが目標とされています。自分の歯で噛んで食べることは、全身の健康にも大きく関わってきます。
一度失った歯は元に戻りません。だからこそ、歯を削る前の予防が何よりも大切です。ご自身の歯を長く大切に使い続けるために、ぜひ予防歯科を生活の一部として取り入れてみてください。
予防歯科のメリット
むし歯・歯周病のリスクを大きく低減できる
定期的な予防歯科の受診により、むし歯や歯周病を未然に防ぐことができます。
たとえむし歯ができてしまった場合でも、早期に発見・治療が可能となるため、削る量が少なく済み、歯へのダメージを抑えられます。
お口の機能を長く維持できる
どれほど精密な治療を施しても、一度削った歯は元の状態には戻りません。生まれ持った歯を守ることは、噛む力や発音、見た目といった機能を守ることにつながり、日々の生活の質の向上にも寄与します。
見た目の美しさをキープできる
予防処置の一環として行われる「PMTC(プロフェッショナル・クリーニング)」では、歯の表面に付着した着色やプラークを徹底的に除去します。ご自身では落としきれない汚れまで取り除くことで、清潔感のある白い歯を保つことができます。
痛みを感じる前に対処できる
むし歯や歯周病は、初期段階では痛みなどの自覚症状がほとんどありません。定期的なチェックにより、症状が出る前に異変に気づき、治療時の痛みや麻酔の必要性を最小限に抑えることができます。
健康寿命を延ばすことにつながる
食事を楽しむことは健康を保つうえで非常に大切です。
しっかり噛める歯があることにより、栄養バランスの良い食事が可能となり、全身の健康維持につながります。予防歯科はその土台づくりに貢献します。
認知症の予防効果が期待できる
噛む刺激が脳に良い影響を与えることが明らかになっており、残っている歯の本数が多い人ほど認知症のリスクが低いとされています。自分の歯を保ち、しっかり噛める状態を維持することで、脳の健康にも良い影響が期待できます。
全身の病気も防げる
むし歯や歯周病は、お口の中だけの問題ではありません。歯周病の原因菌が血管内に侵入すると、全身の健康にも悪影響を及ぼすことが分かってきています。
近年では、歯周病と脳梗塞や心筋梗塞などの循環器疾患との関連が指摘されており、口腔内の健康管理は全身疾患の予防にもつながります。
将来的な費用と時間の負担を軽減
定期的なメインテナンスは、少ない費用と時間で歯の健康を維持する有効な方法です。逆に、むし歯や歯周病が進行してしまうと、長期的な通院と高額な治療費がかかる可能性があります。予防こそが、最もコストパフォーマンスの高い選択です。
当院の予防歯科メニュー
ブラッシング指導
患者さま一人ひとりのお口の状態やみがき方のクセ、磨き残しやすい場所などを丁寧に確認し、最適な歯みがき方法をご案内します。
歯並びやお口の大きさは人によって異なるため、歯ブラシの選び方から動かし方まで、それぞれに合ったケアの仕方をわかりやすくご説明します。
むし歯や歯周病を防ぐためには、毎日の正しいブラッシングで歯垢をしっかり落とすことが何より大切です。日々のセルフケアをより効果的にするために、ぜひご活用ください。
スケーリング
毎日の歯みがきでは落としきれない歯ぐきの奥の汚れには、歯科医院でのスケーリングが効果的です。歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットには歯垢や歯石がたまりやすく、そのまま放置すると歯周病の進行につながります。当院では、専用の超音波スケーラーを使用し、歯周ポケットの深部に付着した歯石や汚れを丁寧に取り除いております。
PMTC
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)は、歯科衛生士が専用の機器とフッ素配合ジェルを使用して行う、専門的なクリーニングです。
ご自宅でのケアでは落としきれない歯の表面や歯と歯ぐきの境目の汚れ、バイオフィルムをしっかり除去し、清潔な口腔環境を整えます。定期的なPMTCは、むし歯や歯周病のリスクを下げる有効な予防方法です。
フッ素塗布
フッ素塗布は、お子さまから大人の方まで幅広い年齢層の患者さまにおすすめできる、むし歯予防の基本ケアです。フッ素には、歯の再石灰化を促し、むし歯の原因となる酸に対する抵抗力を高める働きがあります。特に生えたばかりの歯はむし歯になりやすいため、早い時期の塗布が効果的です。
ご自宅でのセルフケア
むし歯や歯周病を予防するためには、ご自宅でのセルフケアと歯科医院でのプロケアの両方のケアが必要不可欠です。いくら定期的に歯科医院でクリーニングを行っていても、毎日の歯磨きがきちんとできていないと細菌が増殖し、むし歯や歯周病を引き起こしてしまいます。
プラークは食後8時間ほどで形成され、48時間ほどで石灰化して歯石に変わっていきますので、食後は正しい歯磨きを行い、プラークを溜めないようにしましょう。
また、歯と歯の間などは汚れが溜まりやすいため、歯ブラシだけでなくマウスウォッシュやデンタルフロス、歯間ブラシなどを使って汚れを取り除くようにすると予防効果を高めることができます。
未来の自分のために、いま始める予防ケアを
たとえ歯を失っても、インプラントなどの治療で機能を補うことはできます。けれども、一度失った天然歯は二度と元に戻りません。だからこそ、大切なのは「今ある歯を守ること」です。
80歳で20本以上の歯が残っていれば、生涯にわたって食事や会話を楽しめると言われています。また、歯周病が進行すると、糖尿病や心臓病、脳梗塞、認知症、誤嚥性肺炎といった全身の病気にもつながる恐れがあります。
定期的に歯科医院でケアを受け、むし歯や歯周病を予防することは、「健康寿命」を延ばすことにもつながります。予防に取り組むことで、お口のトラブルを早期に発見・治療でき、身体的・経済的な負担を減らすこともできます。
当院では、お一人おひとりのライフスタイルやお口の状態に合わせた予防プランをご提案しています。毎日のセルフケアと歯科医院での定期的なメインテナンスで、これからもずっと、ご自身の歯で快適な毎日を過ごしましょう。